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もうすっかり春の陽気ですな。

京都ではここ数年、レンタル着物などが増えたためか市内での着物姿をよくみかけるようになりました。


レンタル着物は良いのか悪いのか

 私は前の記事でも書きましたけど、着物の仕事しようと思って京都に来たんですよね。
なので、着物関係の友人が多くおりまして。

もちろん、伝統産業に関わってる人も居れば、着物好きでしょっちゅう着物来てる夫婦だったり
着物イベント好きな人たちだったり。

facebookやTwitterなどでのつながりも着物関係の人が多くいます。


 皆さんご存知だと思いますけど、着物の業界ってずっと下降線みたいなんですよね。


まぁ原因としては、「着物ってお高いんでしょ?」ってヤツを筆頭に
 
・着るのが大変

・洗うのも大変

・着ていく場所がない

とかとか・・・まぁ着物を着ない理由なんて山ほどあるでしょうけど、SNSで「着物好き」って声はいくらでも見つける事ができます。


こうしたハードルを格段に下げて、洋服で京都に遊びに来てそこそこの値段でレンタルできるレンタル着物って商売はとっつきやすいんでしょう。

ほんと最近、東山とか周辺ですっごく多いんですよ。外国人観光客もツアーに組み込んでるみたいで
アジア系の人とかレンタル着物で清水寺観光してるの多いですよ。
もちろん、日本人観光客も然り。


すっごい良い事だと思うんですよ。着物に触れる機会が多くなるって事は。 



 でもやっぱしこうした声も出てくるですよ。

着物って現代ではもう、「無くてもいいもの」じゃないですか。
そんな中でわざわざ着物を着ようって人の中には、「日本の文化的な何か」とか風情を感じたい人が居ると
思うわけですよねーー

とりあえず、着付けできます。着物貸します。儲かるから。ってだけやってる人たちが増えちゃうと
なんだかヘンテコな着姿の人が京都をウロウロして「わあキモノだ良いな」ってなってしまう。
着る人も、着物の所作とか知らないからすぐに着崩れてグチャグチャになってしまう。

着物は洋服と同じように身体を動かしてるとすぐ着崩れるんですよ。構造的にそうなってるんだもの仕方ない。

「着物が似合う」ってね、だいたいの人には似合いますよそりゃ。日本人だもの。当たり前じゃないですか。
アジア系の人ならまぁ大体に合います。

着付してハイ!写真!

なら、別に問題ないでしょうけどね。着付して、それで町中観光して一日着っぱなし。ってなると話が違うです。


特に男性の着物姿増えたなーってここ数年感じてますけど、まぁ帯の上がった人たちの多さよ。
祇園祭でよく見かけましたけどね。なんか凄い事になってる人たち。もうバカボンみたいな帯位置になっちゃってるの。

女性でもツンツルテンな着付けになってて、裾が開いちゃってるのとか。

そりゃ無理ないですよね、知らないんだもの。

これは貸す側の問題だとも思いますけどね、着付けてハイ終わり。でしょうし、実際手も回らないとは思います。
後は自己責任で。って放置プレイになるんでしょう。

でも、それしてるといざ着付けた時はいいかも知れないけど、まぁ町中でもっさもさい恰好になってるワケじゃないですか。

これって京都の景観にも関わるんじゃないの?って思いますよ。
京都市の観光協会なんかが手を打ってもいいんじゃないのかなーー


「お金を払う本人が着物着れて満足してる。」って言えばそうかも知れないけど、「着物の美しい姿」を伝えていくのって京都の仕事じゃないのか?



着付けの仕事してた私は思う。レンタルするより古着買って自分で着る練習しなよ。と。

着物を買う。って言うとどうしてもお金かかりますからね。

5万円くらいあれば、生地選んで仕立てできますよ。そう、木綿の着物ならね!


それか、古着ってのがありますやんか。江戸の昔にも損料屋ってのがありましてね。
古着のレンタル屋みたいなのがあったんですよ。

そこで着物借りるのが一般的だったみたいです。
 
今は京都でも古着物屋さんが数多くあります。まぁ3000円くらいからイイ着物買えますよ。

そういうのを買ってね。自分で着るのが一番いいですってほんとに。ほんとに。


レンタル着物の着付師の腕前がどうこうじゃなくって、自分で着物を着て、構造を知って
着崩れた時の直し方なんかを自分で知っていく。着崩れない、着物での自然な所作を知っていく。

これをしない事には着物に馴染む事はできますまい。

 
 私も時代劇の着付けとかしてました。そりゃ毎日着付けしてたんですからね。年に数回しか着付けしない人よりかはイイ感じに着付けしてました。杓子定規な着付け好きじゃないけど、頼まれたら個人的に請け負ったりしてました。

でもねー、いくらキレイに着付けてもね。グズグズになるんですよ。これは所作の問題なんです。

着崩れないようにしろよ???

所作が出来ない人にそれをしようとすると、アレですよ。「成人式の着付け、苦しかった」ですよ。
ギュウギュウに締めないと無理ですって。緩まないくらい紐締めたり、帯でギュウギュウに締め付けるんですよ。

私だって、諸先輩方の技術に比べたらしょぼいモンでしたけど、それでも俳優さんや女優さん着付けたりしてたんだもの。色々見てきました。
ほんとに上手な俳優さん女優さんは、やっぱり自分で着れるんですよ。それで動き方を知ってるんです。
衣裳部はサポートをして、帯を締めるくらいです。
 

俳優さんたちは仕事だから、じゃなくて。レンタル着物だけで満足してるウチは「形だけを真似してるファッション」の枠を出れないと思うんですよね。


雑誌とかで外国人モデルと同じ洋服を着てる似合わない人。になりかねない。


レンタル着物でも、親戚のおばさんに着付けてもらってもいいけど、所作だよ。動き方ですよ。
 
レンタルの手軽さは確かに需要はあると思うんですよ。

けどそれが横行すると、人間楽な方楽な方にいっちゃうんですから自分で着ようとしなくなる。

それが当たり前になると、所作の出来ない人ばかりになっちゃう。

そうするとね、ダサいんですよね。ダサい。ポリの着物は良いですよ洗えるから。でもあのプリントなんなの?浴衣なのソレ?

安いポリの着物に安いプリンターから出てきたような着物でグズグズで町中を歩く。ダサい。
 

 遠方から着物で京都に。って言うてるワケじゃなくて、着物はレンタルでも良いと思うんですよ。

ただ、問題なのは所作です。



 着物に馴染んで、自分で着物を着れる状態で、それで着物を貸してくれて着付けとかしてくれるサービスを利用するなら、これはまさしく損料屋。

悉皆の手間もいらないし、 着物貸してくれて、着付けもしてくれて楽ちん。

こうしたレンタル着物屋さんの使い方になれば良いのにね。 



着物に馴染みすぎた我が妻は、松本家と仲良しの女髪結さんに日本髪を結ってもらうのが楽しいらしい。 

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